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    コラム

    プロジェクト学習
    (2010年12月6日)

    懇意させて頂いております千葉大学教育学部の上杉教授ご一同によるプロジェクト学習アメリカ視察報告会を聞きに行きました。



    プロジェクト学習とは一般には聞きなれない言葉ですが、私なりに一言で申しますと「生徒自ら学習内容を探し学習を進める教育方法」となります。



    通常、学校の授業とは、先生が教室の壇上に立ち先生が決めた内容を生徒が一斉に習う、という方法が主流です。こうした方法は、プロジェクト学習に対して、リード学習と呼ばれるそうです。先生がリードする、という方法になります。



    プロジェクト学習は、生徒が習う内容を決めるやり方です。そう申しますと、「習ってもいないのに何を習うかわかるのか」といった疑問があるかと思います。



    ですが、人は大人でも子どもでも、「なぜだろう」と思うことは、生活の中でよくあると思います。それを自分なりに答えを探したり、考えたりすることがあります。そうしたことを大人が手伝いをするのがプロジェクト学習と言えます。



    「自分で決めるのはいいが、みんなが習うべき内容というのがあるだろう」といった疑問も出てくるかも知れません。



    しかし、大人になって「学校でこういうことを教えて欲しかった」と思うことは無いでしょうか。何を習うべきか、といった答えは誰にも持ってはいないと思います。誰かが決めたことを習えば「誰かの責任」ですが、自分が決めたことを習えば、それは「自分の責任」と言えます。「学校で習ったことはほとんど意味なかった」そんな愚痴を言うよりは、「学校で学んだことは楽しかった」と言えた方が、その後の人生がどれほど楽しいかわかりません。



    しかしそれでも、一定の学力水準というのは大事なことです。ですので、アメリカでは高校卒業要件として統一テストを行い、そのテストで一定水準を越えなければ、高校卒業とは認めていないそうです。そして、プロジェクト学習を行っている生徒達は、余裕で水準を超えているそうです。つまり、「自分で学習内容を決めてる」にも関わらず、平均以上の学力を持っているらしいのです。



    こうした学習は、今の日本にとっても大事な学習方法だと思います。



    現代の日本では、誰かが決めたレールを進めばいい時代は、終焉を迎えていると言っても過言ではありません。まして、今の子ども達が大人になる頃には、自分のアイディアや思いをどう実現するか、そういった力が求められる時代になるかも知れません。子どもの頃から、そうした力を磨いていれば、社会に強く求められう人材に育つことでしょう。



    ところで、それではこれまでの学習方法は捨てていいか、と言えばそうでは無い様です。知識の基礎を築くことは必要であると、上杉教授自らおっしゃっています。



    特に、算数・数学科目に関しては、アメリカでプロジェクト学習として大きな成果を挙げている学校でさえ、リード学習として生徒達に「教えている」ようです。



    そういうことで、算数・数学の基礎力を築く、算数キュアの有意性を強調しておきます(笑)



    プロジェクト学習については、多くを語りたいので、またコラムに掲載させて頂きます。



    プロジェクト学習についてご興味をお持ちの方のために、書籍をご紹介致します。
    学びの情熱を呼び覚ますプロジェクト・ベース学習
    ロナルド・J・ニューエル 著/上杉賢士・市川洋子 監訳






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