モンスターペアレントは教育界過渡期の象徴
(2011年9月12日)
先日参加したフォーラムにて、オランダの教育についての講演を聴きました。
ヨーロッパの国々ではよくある話ですが、オランダでは様々な文化、宗教、民族が共存して国が成り立っています。
そうなりますと、価値観や考え方が親や地域によって、かなり異なっていきます。当然、我が子を学校で学ばせたいことにも違いが生まれます。
そのような背景があり、オランダの小中学校の公立学校と私立学校の比は、3:7くらいだそうです。
私立学校の方が公立学校よりも2倍以上も多いということになります!日本では小中学校の私立学校は数%に過ぎないことからすると、かなり多いですね。
オランダでは、私立学校を造る条件は日本に比べてかなり緩いそうで、100人ほどの親の賛同があれば、造ることが可能とのことです。
さて、このように私立学校が多いという状況は、私は日本の将来像のような気がしております。
タイトルに挙げました「モンスターペアレント」と呼ばれる親達は、学校を困らせるひどい人達だ、という意味合いで使われていると思います。
確かに、自分の子どもだけを考えたり、自分の家庭の都合ばかりを押し付けることは、いいことではありません。
しかし、こうした親達は増えているとも言われているので、一過性では無いと思います。むしろ、時代の変革の象徴ではないかと感じます。
つまり、今、そしてこれからの親達が求めることは「教育の自由化」ではないでしょうか。
私が知る限りでも、様々な教育手法を実践している民間団体がたくさんあります。そうした団体は民間であるため、公立学校と直接つながることは難しい状態です。つながったとしても、一時のイベントとして扱われるような、かなりの制約を受けます。
既存の枠組みにとらわれない新しい教育を学校で実践していて、それを我が子に受けさせるかどうかを親自身、または子どもとともに決めることが出来れる、そんな「教育の自由」があれば、ただのわがままに走る「モンスターペアレント」のような現象は沈静化に向かうような気がします。