ニーチェの思想と漫画「ワンピース」の共通点
(2011年9月26日)
いつの時代にも子どもや若者に必要なものは、自分の心が躍る「夢」だと思います。
どんな些細なことであっても、自分のとって大切な夢があって、それを追いかけていれば、心はいつも満ち足りているように思います。
逆に、夢を阻害され、夢を忘れて成長すると、どんなに物が溢れていようとも心は満たされず、満たされてるために、いつも何かを求めるようになると思います。
NHKの「100分で名著」という番組をご存知でしょうか。25分番組を4回にわかって名著を紹介する番組です。
そこで、ニーチェが執筆した「ツァトゥストラ」という物語の話がありました。
長く山篭りをしていた「ツァトゥストラ」が、ある日気付きを得て、山を降りるところから物語が始ります。
山を降りたツァトゥストラが人だかりを見つけました。その人だかりの先には、綱渡りをしようとする男がいたそうです。
男が綱を渡っている時に、それを見ていた人々は「できっこない」「止めた方がいい」とヒソヒソと話していました。
そして、中盤まで渡ったところで、ピエロが現われ、綱をすいすい渡ると男の飛び越えました。そこでグラグラと揺れた綱によって、男は綱から落とされて死んでしまいました。
この話しで例えられていることは、綱を渡る男が自分の夢を追う人で、見物する人は、夢を追う人を冷ややかな目で傍観する人です。
そして、ピエロは夢を追う人を邪魔する者です。「ニヒリズム」とも言われていました。世の中を冷めた目で見る人のことを指すようです。
さて、一方で、今子どもにも大人にも人気の「ワンピース」という漫画があります。
主人公のルフィがとある理由から海軍へ攻めようとしていた時、そばにいた人が「そんなことをしたら死んじゃう。死んだら何にもならないじゃないか」と言います。
そこでルフィは言います。「俺の夢は海賊王になることだ。こんなところで止まってたら絶対なれるわけねぇ。夢のために死ぬなら本望じゃないか」と。
時として、人の夢は自らの命をも危険にさらすことがあります。そこまで行かないとしても、血のにじむような努力が必要なことがあります。ついつい、周りはそれを止めたくなります。また、叶いそうもない夢だと笑うことがあります。
それは、ニーチェの時代でも現代でも変わらないようです。
ですので、忘れないようにしなければいけません。夢を持つことと、夢を持つ人を応援する心を。