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    コラム

    LD(学習障碍)について
    (2010年3月15日)

     以前にLD(学習障碍)について書きました。(LD(学習障碍)とは?)


     今回は、より詳しく書こうと思います。


     その前に、なぜこのコラムでLDについて取り扱うか、ということですが、第一に「この障碍はすぐには障碍とは思われない」ということがあります。はたから見れば、ただふざけているだけにしか見えないかも知れません。ですので、ご自身やご家族が例えLDでないとしても、LDの人が身近にいたときに、大きな誤解をされないように、という意味があります。

     
     第二に、保護者の方が障碍に対して理解がないと、お子様は、大人以上に誤解している可能性があるからです。誤解したままで、LDの人と接していれば、将来障碍に対して理解のない大人に育ってしまいます。逆に、しっかりした理解があれば、うまく接することができて、障碍を持つ人への接し方がわかり、心優しい大人に成長することでしょう。


     ただ、私自身は障碍への専門家ではないので、この内容で、正確にお伝えできるかはわかりません。ですので、誤解をまねきそうなあいまいな話しは省き、「わかっていれば理解できる」ような簡単な話しを書いていこうと思います。


     さて、前置きが長くなりましたが、LDを持つ子どもがどういった行動になるかを書きます。


    ○例1:書くことが苦手。作文の授業中には落ち着きがない。


    ○例2:読むことが苦手。教科書の音読がうまくできない。


    ○例3:話すことが苦手。人と話すときに相手に意味が通じないことがしばしば。


    ○例4:聞くことが苦手。先生の言ったことや友達が言ったことをうまく覚えられず、忘れ物をしたり、約束を果たせなかったりする。


    ○例5:計算が苦手。算数の計算練習中には落ち着きがない。


    といったことが挙げられます。古くから「読み書きそろばん」と言われるように、「読む」「書く」「計算する」というのは学習すること、いえ、人としての生活そのものの基礎になることですが、これらがうまくできない様子が多いのです。


     そのような状況で、本人達がどのような苦しみやプレッシャーを感じているかを想像してみることが、障碍への理解の始まりだと思います。


     とは言いましても、計算が得意な人が計算を苦手な自分を想像することは、とても難しいので、子どものころ(お子様なら今の自分)が苦手なことを想像されてみて下さい。


     例えば、わたしは小学校の頃は体育が苦手でした。特に男の子などは、体育の時間は喜んで、運動場や体育館に向かいますが、私は体育の時間がゆううつでした。


     「今日はなにをやるんだろう?」「うまくできるだろうか」「できなかったら恥ずかしい」「体育なんてないほうがいい」
    そんな気持ちを持つことが多かったです。


     読者の皆様はいかがでしょう。なにが苦手でしたか?苦手なことをやらされるとき、どのような思いにかられましたか?


     もう一つお聞きします。先ほど考えられた苦手な気持ちが、開放された瞬間はありましたか?もちろん、できなかったことができたとき、わからなかったことがわかったときだと思われますが、その時どういう方がそばにいたでしょうか。親が、あるいは教師が、やさしいながらも、前向きな言葉をかけてくれたからこそ、「もう少しがんばろう」という気持ちになれたのだと思います。


     そして、がんばった結果、ほんの少しでもできることがあり、それが喜びになり、そして、またできないことがあっても、できた喜びを思い出してがんばったいけたのだと思います。


     話がそれましたが、障碍を理解する、ということは、特別な知識ではなく、ご自身のお気持ちから発せられるものではないかと考えます。ですので、お子様がLD(何かを苦手に感じている人)ヘうまく接するようになるには、お子様自身が、他の何かへの苦手な気持ちを誰かにうまく取り除いてもらえたことから始まると思います。






    コラムをお読み頂きましてありがとうございます。
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