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    震災と今後(都市機能の回復)
    (2011年3月22日)

     震災による犠牲者のご冥福を祈るとともに、被災者の方々がいち早く通常の生活に戻れることを願います。



     観測上最大の大地震が起こりました。地震の規模そのもの以上に、直後に起こった津波による被害が大きい爪痕を残したように思われます。



     襲いかかる津波は、悲しいことにリアルタイムの映像でテレビで見ることが出来、映像にははっきり映ってませんが、津波から逃げる人達もいました。現実離れした現実です。アメリカ・ニューヨークの同時多発テロを思い出されました。



     しかし、そうした映像があるからこそ、海外に衝撃を伝えられ、多くの義援金を得て、支援の動きを得られているのかも知れません。



     まだ復興続く現状では、こうした海外からの熱いエールは、とても心に染みます。



     地震・津波は、多くの人命と家屋を奪うとともに、原発の稼動障害、石油コンビナートの火災を引き起こしました。これらによって、放射能漏れの不安が広がり、電気供給を低下させ、ガソリン不足に繋がりました。



     電気供給の低下は、電車の運行を低下させ、また、ガソリン不足は物の輸送を困難にさせて、物不足に至りました。



     東北地方や関東沿岸地域では、多くの被災者がいて、多くの支援を待ち望んでいます。



     被災者への支援と被災地域の復興、これは何よりも優先させて取り組むべきでして、とにかく早めの対応が必要です。被災者のニーズは刻一刻を変わるようですが、法や前例にとらわずに、知恵を出し合って力を出し合っていくべきです。



     一方で、電力不足をどう回復させていくか、ここについては長期化されるように感じます。本日のニュースでは、計画停電は来年の夏まで続く可能性があると書かれていました。電力が不足すれば、生活・交通・工場での製造など多くの障害が起こります。



     原子力発電所は再稼動のめどは立たないと思われます。原発再開の反対の声が強く出されるかも知れません。火力発電所も2ヶ所が大きなダメージを得て、再開にはかなりの時間を要するようです。



     こうした電力不足にどう対応するか。今こそ太陽熱パネルや風力発電の普及に意味があるように思います。



     太陽熱パネルや風力発電は、コストの高さのためか普及が遅れています。しかし、こうした自然エネルギーの活用には、クリーンという以外にも別の意義があります。それは「スマートグリッド」と呼ばれる電力システムです。スマートグリッドは「賢い電力網」と訳され、その名の通り賢く、一つ家庭で得た電力を他の家庭にも普及させることが出来ます。



     例えば、ある地域が雨や曇り、また無風状態で電力を作れなかったとしても、他の地域で電力を作っていれば、与えることが出来るのです。今回のように発電所にダメージを受けて、全体が悪くと言うことは無く、お互いに助け合うことが出来るのです。これはまさに日本人が得意な「譲り合い」「助け合い」「お互い様」の精神です。



     ガソリンについても同様です。化石燃料はいずれ枯渇すると言われています。また、多くの温暖化ガスを排出します。それを受けて、多くの電気自動車が売られるようになりました。そこに加えて、電気トラックや電気ヘリコプターなどがあってもいいと思います。それらの電気は、太陽熱や風力によって作られるものであれば、自然界に負担させることが少なくなります。



     最近、駅ではエスカレーターが節電のために停止していのを見かけます。エスカレーターの横では、人々がきちんと列を成していました。登る人、降りる人の列で分かれているのです。



     震災前なら、ここまで譲り合った行動は少なかったように思います。



     震災は、多くの人に心の傷跡を残しました。しかし、同時に譲り合い・思いやりの気持ちを育みました。これが一時期で終わらぬよう、今回の教訓を受けて、街そのものを譲り合う形をしている。そういう未来を築いてもいいのではないでしょうか。



     「あの震災があったから、今の街になったんだね」そのように子どもや孫に言われたいものです。






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