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足りない電力を太陽光パネルで賄った場合の試算
(2011年4月4日)

 前々回のコラムに続きまして、電力問題について考えました。



 テレビでは、専門家が太陽光パネルによる電力を賄うことについて、「全く足りない」とお話ししていました。それがどれ程であるか試算してみました。



 まず、太陽光パネルの世界シェア3位[1]のシャープのサイトによると、1枚1?の太陽光パネルの電力量は100ワット[2]のようです。通常の個別住宅ではこれを10枚貼れるとすると、1世帯1000ワット=1キロワットの電力が作れます。
[1] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB
[2] http://www.sharp.co.jp/sunvista/inquire/product/module/



 料金は1枚で10万円ほどですので、施工費を加えると200万円くらいになるかと思います。



 東京電力によりますと、短期的に施設を補強して電力量を上げたとしても、今年夏に足りなくなる電力は1000万キロワットとのことです。



 これを太陽光パネルで補うとしますと、1世帯1キロワットですので、1000万世帯に太陽光パネルを貼ることになります。



 そのように考えますと、その費用は200万円×1000万世帯=20兆円ということになります!



 しかし、発電量は140万キロワット程度の原子力発電所を建造するには4200億円[3]ほどでして、これくらいの発電量であれば、太陽光パネルでも2兆8千億円くらいの費用になるので、原発を建造する費用の約5倍くらいになります。
[3] http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/data/060220d-3.pdf


 5倍という差は小さくありませんが、太陽光パネルの大量生産や大量発注による効率化・低価格化が出来れば、5倍の差を2倍くらいに縮めることは現実的かと思います。



 最後までコストの差が残った場合、どちらを選ぶかは国民の判断に委ねられるかと思います。



 これまでの計算は、初期費用だけですが、運用費用も合わせて考えなくてはいけないと思いますし、素人計算ですので、こうした試算が正しいかどうかはわかりませんが、もし概ね正しいようであれば専門家による「全く足りない」という言葉は少し大げさに感じます。



 大きなリスクを伴う原子力発電の施策から、リスクが分散しクリーンなエネルギーである太陽光発電や風力発電の施策に切り替えてもいいのではないでしょうか。






コラムをお読み頂きましてありがとうございます。
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