次世代太陽光パネルへの期待
(2011年4月18日)
前々回に引き続きまして、電力問題についてです。
以前にコラムに書きましたとおり、現代の太陽光パネルでは「原発の方がコストが低い」と見られがちのようです。
先日の朝日新聞には、原発反対が「41%」とのことでした。私はこの数字は低いと思いまして、ここまでの多大な人災をもたらしている現況であるので、半数以上が反対であってもいいと思っております。
怖いと思いつつ原発に頼らざるえないのは、自然エネルギーの費用対効果が低いと見なされているためだと思われます。ですので、もし効果が何倍にも上がることが出来れば、世間の気持ちは一気に自然エネルギーに向かうのでは無いでしょうか。
効果が何倍に上がる、そんな夢のようなことがありえるとwikipediaには書いてありました。
太陽光パネルは光から直接電力を取り出す機能です。これには半導体が使われていまして、半導体は作り方によって様々な性質を生み出すことが出来ますので、新しい性質の半導体を作れればこれまで以上のエネルギーを生み出すことは可能です。
太陽光パネルの電力を生み出す力は「変換効率」で表されまして、これが高いほど高い電力を生みます。
wikipediaによりますと、量産されている太陽光パネルの変換効率は20%ほどです。世界最高の変換効率は35%とのことですが、イリジウムといった高価な物質を使うので、作り方以前の問題です。
そこで、新たな太陽光パネルとして「量子ドット型」という材料が提唱されています。この変換効率は60%以上に拡大されるようですので、現在の3倍もの電気を作りだすことになります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%9B%BB%E6%B1%A0#.E9.87.8F.E5.AD.90.E3.83.89.E3.83.83.E3.83.88.E5.9E.8B
量子ドットについては、下記のページがわかりやすいかと思います。実用化には2020年になるだろうと書かれています。2020年と聞くと遠いようですが、太陽光パネルへの期待感が高まれば、実現が早まるかも知れません。また、原発や火力発電所を作るにも10年かかるようですので、そう考えるとあながち遠いことではないように思います。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20100105/102961/
量子ドットを研究されている方の一人に、東京工業大学の小長井先生がいらっしゃいますので、サイトを紹介します。
http://solid.pe.titech.ac.jp/index.html
これまで原発に頼って、なんとなく「自然エネルギーの方がいいかも」くらいな気持ちでしたが、こうした研究が進んで原発を駆逐するくらいの勢いで世界に広まって欲しいですね。
なお、小長井研究室では一昨年の夏に「ひらめき・ときめきサイエンス」というイベントで、高校生を対象に太陽光パネルについてのイベントを行ったようです。
http://solid.pe.titech.ac.jp/hirameki-tokimeki/Reporthtml.html
この「ひらめき・ときめきサイエンス」という取り組みはいいですね。高校生だけではなく、小学生・中学生を対象とすることもあるようです。毎年夏に日本全国で多くのイベントが行われるようですので、イベント実施が決まる頃に紹介したいと思います。